◆ Q値=熱損失係数
例えば、発泡スチロールの箱に温かい缶コーヒーを入れて、1時間でどのくらい温度が下がったかを調べると、その発泡スチロールの断熱性能=熱損失係数を調べることができます。
熱損失係数とは、住宅の保温性能=断熱性能を計算して、住宅の内部と外部の温度差が1℃あった場合、1時間でどのくらい熱の影響を受けるかを表した数字です。
部位
|
断熱仕様 |
部位面積 |
熱貫流率 |
熱損失 |
熱損失係数 |
A[㎡] |
U[W/㎡K] |
A・U・H[W/K] |
Q[W/㎡K] |
||
屋根 |
HGW16K T180 |
63.54 |
0.258 |
16.409 |
0.139 |
外壁 |
押出法PSF3種 T60 |
128.56 |
0.413 |
53.143 |
0.450 |
熱橋木部(2F床) |
押出法PSF3種 T60 |
4.64 |
0.343 |
1.590 |
0.013 |
土台 |
押出法PSF3種 T60 |
3.26 |
0.461 |
1.504 |
0.013 |
基礎 |
押出法PSF3種 T60 |
- |
- |
30.585 |
0.259 |
開口部 |
- |
29.22 |
- |
43.588 |
0.369 |
換気 |
0.5回(90%熱交換) |
378.05 |
- |
62.682 |
0.531 |
相当延べ床面積 |
- |
118.00 |
- |
- |
- |
合計 | |
|
211.51 |
1.792 |
これによって算出された数字が、住宅の内部と外部の温度差が1℃あった場合、失う熱量です。
この数字を住宅の床面積で割った数字が熱損失係数Q値です。
Q値=211.51÷118.00㎡(住宅床面積)=1.792W/㎡・K=1.541kcal/㎡・h・℃
下記の表よりⅢ地域対応の住宅であることがわかります。
地域区分 |
Ⅰ |
Ⅱ |
Ⅲ |
Ⅳ |
Ⅴ |
Ⅵ |
W/㎡・K |
1.6 |
1.9 |
2.4 |
2.7 |
2.7 |
3.7 |
kcal/㎡・h・℃ |
1.4 |
1.6 |
2.1 |
2.3 |
2.3 |
3.2 |
※次世代省エネ基準の熱損失係数
能代市・八峰町・秋田市はⅢ地域に区分されます。
青森県・旧二ツ井町はⅡ地域に区分けされます。
◆ Q1住宅
Q値が1.0未満の住宅のことです。無暖房住宅とも言われるような住宅です。
北海道のようなⅠ地域の基準よりはるかに低い値です。
熱損失の大きい「外壁部」・「開口部(窓)」・「換気扇」を補強することで、対応可能です。
「外壁部」は、外張り断熱+充填付加断熱へ
「開口部」は、トリプルガラスへ
「換気扇」は、第一種熱交換換気扇へ
断熱性能をどれだけ上げたとしても、光熱費は削減されるだけで0にはなりません。
※お客様の希望でない限りQ1住宅をお勧めしません。
ダイエー建設株式会社の電化システムを採用した住宅が、Q1住宅で暖房費を半分にしたとしても、費用対効果が悪いと判断しているためです。
もし、Q1住宅を希望するのであれば、太陽光発電で電気代0円を推奨します。
省エネには限界があります。会社の経費と同じで削減しても0にはなりませんので、仕事を増やすほうが会社のためになるのです。